
柑橘、ハーブ、スパイス。五臓をヒントに選ぶ、体と心に寄り添うお酒の楽しみ方
同じお酒でも、「すごくおいしい」と感じる日や、「今日はなんだか進まないな」と感じる日がありませんか?そんな経験は、誰しも一度はあるはずです。実はこの違い、そのときのあなたのコンディションや気分と深く関係しているのかもしれません。
東洋医学に基づく薬膳の考え方では、人間の体の状態を大きく「五臓(ごぞう)」という5つの要素に分けて捉えます。五臓には以下の5つがあります。
- 肝(かん)
- 心(しん)
- 脾(ひ)
- 肺(はい)
- 腎(じん)
これらは一般的な西洋医学でいう臓器そのものを指すのではなく、体の機能や心の状態をグループ分けした概念です。私たちの味覚や好みは、これらのバランスによって日々変化していくと考えられています。
お酒に使われる食材の味や香りを、この「五臓」の視点から眺めてみると、日々の晩酌やリラックスタイムの楽しみ方に、きっと新しい発見が生まれるはずです。
五臓と「味・香り」の関係を知る
薬膳には、五臓それぞれに対応する「五味(ごみ)」という考え方があります。五味とは、「酸・苦・甘・辛・鹹(塩味)」の五つの味覚のことを指し、それぞれが心身の働きとゆるやかにリンクしていると考えられています。
| 五臓 | 対応する五味 | 味のイメージ |
|---|---|---|
| 肝(かん) | 酸(酸味) | 柑橘のさっぱりとした味 |
| 心(しん) | 苦(苦味) | ハーブのほのかな苦味 |
| 脾(ひ) | 甘(甘味) | 果実などのやさしい甘み |
| 肺(はい) | 辛(辛味) | スパイスの広がる香り |
| 腎(じん) | 鹹(塩味) | コクのある深い味わい |
お酒に使われる果実やハーブの味や香りも、この五味の視点から見ることで、より深く味わうことができます。こうした味や香りの違いは単なる風味の差ではなく、そのときの自分の状態が「何を求めているか」のサインかもしれません。五臓と五味の関係を知ることで、「今日はどんな味が心地よいか」が直感的にわかるようになり、お酒の楽しみ方の幅がグッと広がります。
「五臓」の考え方でお酒を選んでみる
ここからは、五臓それぞれの特徴と、それに対応するおすすめのお酒の選び方をひとつずつご紹介します。難しく考えず、「いま惹かれる味わい」を探すヒントにしてみてください。
肝:香りやさっぱりとした風味を楽しむ
「肝(かん)」は、薬膳において体の巡りやリフレッシュと関わりがあると考えられています。この「肝」に対応する味は「酸味」です。お酒ではレモンやゆずなどの柑橘類、ミントなど、爽やかな香りを楽しめる素材がよく使われます。仕事終わりに気分をすっきり切り替えたいときなど、日常の中で親しみやすい味わいです。
心:見た目や香りを楽しむ
「心(しん)」は、薬膳において精神的な活動や休息と関わりがあると考えられています。対応する味は「苦味」で、植物がもつほのかな風味としてとらえられます。例えばカモミールや菊花などは、豊かな香りとともにすっきりとした後味が特徴です。リラックスしたい夜に、香りと見た目の華やかさを楽しむのにぴったりです。
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56種のハーブやスパイス、フルーツを使用したドイツ生まれのハーブリキュール。複雑な苦味と甘みのバランスが、ゆったりとした時間を演出します。
Amazonで詳細を見る脾:やさしい甘みを感じる食材
「脾(ひ)」は、薬膳において食事を通じたエネルギー補給と関わりがあると考えられています。対応する味は「甘味」とされ、砂糖の甘さではなく、食材そのものが持つ自然な甘みを指します。お酒では、いちごやりんご、なつめやクコの実など、穏やかな甘みのある素材が好まれます。まろやかで飲みやすく、食前酒やデザート酒にも適しています。
肺:香りや風味の広がりを楽しむ
「肺(はい)」は、薬膳において呼吸や乾燥から身を守る働きと結びつけて考えられる場合があります。対応する味は「辛味」で、ツンとする辛さだけでなく、香りや風味の広がりを指します。生姜やシナモン、ペッパーなどのスパイスは香りに特徴があり、お酒に取り入れることでピリッとしたアクセントと温かみのある味わいを楽しめます。
腎:深みのある味わいを味わう
「腎(じん)」は、薬膳において体の土台となる健やかさと関わりがあると考えられています。対応する味は「鹹味(塩味)」とされ、単なる塩気ではなく、ミネラル感やコクのある深い味わいを指します。黒豆や黒ごま、黒糖などの素材は落ち着いた風味を持ち、秋の夜長や冬の寒い日に、ゆっくりとくつろぐ時間によく合います。
その日の気分で楽しむ、五臓とお酒の関係
お酒の魅力のひとつは、その日の気分に合わせて自由に味わいを選べることです。「なんだか今日はこの味が飲みたい」という直感は、体が求めているサインかもしれません。
- 気分をすっきりさせたい日:柑橘やミントなど香りのよい素材(酸味)
- 少し休息がほしいとき:やさしい自然の甘みがある果実のお酒(甘味)
- 温かい時間を過ごしたい夜:スパイスや生姜の効いた一杯(辛味)
- じっくり考え事をしたい夜:コクと深みのある黒糖やハーブのお酒(鹹味・苦味)
また、季節の変化に合わせて心地よく感じる味も変わります。
| 季節 | 心地よく感じる味のイメージ |
|---|---|
| 春 | 芽吹きの季節に合う、軽やかな香り |
| 夏 | 暑さを和らげる、さっぱりとした酸味 |
| 秋 | 実りの季節にふさわしい、コクのある味わい |
| 冬 | 寒さを忘れるような、温かみのある風味 |
お酒は、味や香り、グラスに注いだときの色合いなど、五感で楽しむことができる飲み物です。そこに「五臓」という東洋の視点を取り入れることで、素材選びがもっと自由でクリエイティブになります。
まとめ:五臓で広がる、自分を労わるお酒の楽しみ方
薬膳における「五臓」や「五味」の考え方は、決して難しく縛られるものではなく、日々の暮らしを豊かにするヒントのひとつです。一番大切なのは「今の自分にとって、心からおいしいと感じるもの」を選ぶこと。
「今日は少し疲れたから優しい甘さを」「すっきりリフレッシュしたいから柑橘系を」と、自分の状態と対話するように選ぶ一杯は、いつもの晩酌を少しだけ特別な時間に変えてくれます。ぜひ、日々の暮らしの中で少し視点を変えて、あなたにぴったりな心地よいお酒を楽しんでみてください。
※本記事は特定の商品の効果を保証するものではありません。
※疾病のある方、妊娠中の方は医師にご相談ください。
※法律により20歳未満の酒類の購入や飲酒は禁止されています。
※ご家庭で漬け込み酒を作る場合、アルコール分20度以上のもので、かつ、酒税が課税済みのものに限ります。詳細は、国税庁Webサイトをご参照ください。
