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「良薬は口に美味」だった?浅草・田原町で「薬酒」の常識が覆された話【編集者コラム①】

「良薬は口に美味」だった?浅草・田原町で「薬酒」の常識が覆された話【編集者コラム①】

目次

    ふと、薬酒を飲みたくなり薬酒バーに

    浅草・田原町にある「浅草薬酒バー」を訪れた。
    一般的なバーの落ち着いた空間に足を踏み入れると、棚にはさまざまな薬草を漬け込んだボトルが並ぶ。ここは、店内でオリジナルの薬酒を仕込み、それをベースにカクテルとして提供しているのが特徴だ。

    最初に注文したのは、ウコンのビール割り。メニューにはなかったが、「ビールにウコンを合わせれば、食前酒として軽く飲めるのではないか」と思い、試してみることにした。「まずは王道から」と選んだ一杯だったが、正直に言えばこれは失敗だった。

    ウコン特有の土っぽさが前面に出てしまい、ビールの苦味と重なってやや飲みにくい。薬酒は組み合わせが肝だと、いきなり洗礼を受けた格好だ。

    改めてメニューをよく読むと、それぞれの効能やおすすめの飲み方がきちんと書かれていた。先に目を通しておけばよかった、と少し反省した。

    魅力的なハーブ酒たち

    気を取り直して、次は「バタフライピーって何だろう」と気になり、さらに老化防止とあったので、バタフライピーのソーダ割りを注文した。
    グラスに注がれた瞬間、その鮮やかな青が目を引く。透明感のある色合いが美しく、味わいもすっきりとしている。視覚と味覚の両方で楽しめる一杯だった。

    続いてマジョラムをソーダで割ってもらう。
    これは非常に爽やかで、ハーブの香りが立ちながらも主張しすぎない。薬酒というと重厚なイメージがあるが、こうした軽やかな飲み方もあるのだという発見があった。

    店内で「意外と人気がない」と聞き、あえて注文したのがどくだみ。
    健康茶の印象が強く、クセがありそうだと思っていたが、マスターのすすめでウーロン割にしてもらうと印象が一変。角が取れ、非常に飲みやすい。むしろ体に染み込むような感覚すらあった。

    改めてウコンに再挑戦したくなり、マスターに「相性の良い組み合わせを」とお願いしてみた。
    すると、ペパーミントとモナレモンを合わせたオリジナルブレンドを提案してくれた。これが驚くほど完成度が高い。ウコンの土臭さがきれいに消え、柑橘系の爽やかさが前に出る。最初の一杯とはまるで別物だった。薬酒は単体よりも“設計”が重要なのだと実感する。

    薬酒バーの魅力とは

    この店の魅力は、マスターに相談すればその場でオリジナル薬酒カクテルを仕立ててくれる点にある。
    ハーブの特性や相性を踏まえ、客の好みに合わせて調整してくれる。単なる飲酒ではなく、ある種の調合体験でもある。

    気づけば何杯か重ねていたが、いわゆる“翌日に残るような重さ”は感じなかった。アルコールの強さというよりも、

    じんわりと体が温まる感覚が続き、リラックスした状態で過ごせたのが印象的だった。

    薬酒というと「体にいい」という効能面が先に語られがちだが、今回飲んだものはまず味として完成度が高い。香りや甘み、

    スパイスのバランスがきちんと設計されていて、結果として飲み心地も穏やかだった、というのが率直な感想だ。

    浅草で食事を楽しみながら、体を気遣いつつ酒を飲むという選択肢があることを実感した。次回は別の種類も試してみたい。